桑野造船株式会社
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米国造艇界

2002年10月19・20の両日開催の 2002 HEAD OF THE CHARLES をみてきました。米国いや、世界で一番大きなHEAD RACE の雰囲気にふれることと米国造艇業界の様子をみて自分の仕事へのヒントが得たかったのです。 例えばエイトの総参加チームは310、フオアは280、ダブルスカル123、シングルスカル377でコースの両岸はボートとトレーラでごった返えしていました。 俺もエントリーしておけばよかった。これが今の私の感想です。
レースの雰囲気や運営については別稿に譲ることにして私の一番の興味であるボートと人とそれをつつむローイングクラブについて簡単に報告します。
米国・ボストンのローイングクラブ
米国は我が国と同様に学生スポーツ中心のローイング世界のように私は思っていました。 確かに学生スポーツとしてのローイング世界最大の規模でしょう。特に女子選手は法律の支えもあって爆発的に選手が増えているとは以前から聞いていました。ところがどうして、どうして、地域クラブも学生ローイング負けないくらいに盛んなことを目のあたりにしてこの国のローイング愛好者の多さにたまげてしまいました。

この大会のホストクラブはコースの真んなか辺にあるケンブリジ・ローイングクラブです。 丁度、瀬田漕艇倶楽部とHEAD OF THE SETAの関係と同じです。ケンブリジ・ローイングクラブは入会希望者は2年待ちででかなり高額の入会金が必要らしくて、ここに住む私の従兄弟の娘は安い他のクラブに入っていると言っていました。

このチャールズ川沿いのボストン近郊のローイングクラブは私が数えた範囲では大学3〜4クラブ、地域クラブが5〜7ありました。クラブに行くと簡単な試し漕ぎテストと安全教育があり、コーチよりそのレベルに応じて使用していい艇が示される。あとは自分の責任でやれということらしいです。 自艇保持者はいくらか会費が安いそうで我々とは反対の考え方であることにおもしろく感じました。競技者から愛好者までのたくさんの人とそれに応じたグレードの様々な艇がありました。これだけの漕艇人口が日本にもいたら自分の商売も楽になるのになあー・・・。 思わずそんな独り言がでてしったのです。
  
造船所とボート
さまざまな人を含む多くのボート人口とそれに応じた艇を供給するためにメーカが米国とカナダにはたくさんあります。高級艇専業からレクレーションボート専業、その混在型までそれぞれの経営者のオヤジの思いが伝わってきそうな感じでした。

私の感じたこの国のボート界の印象はダイナミックでした。大型ボートトレーラとその運行を認める道路法のためか各クラブが自前で艇は何千キロでも運搬します。従ってエイトも分割艇はほとんどなく一体型艇でした。スカルはリガーを付けたまま、自家用車で運んできます。 艇の構造はハニカムのハルでモノ・コック構造艇が多かったようです。

その理由は剛性が高くてかつ、製造が簡単なので安価にできることだと思います。見た目は通常我々がめにするエンパ・フイリッピ社ボートのデッキ構造艇のようにスマートではないので日本のユーザには受け入れられないように考えます。 また、自分たちの漕力にあった艇を選ぶという合理的な発想がある為かトレーニングボートやナックル状のエイトで出漕しているチームもありました。
 艇体にチームのカラーを塗ったのも多くあり、日本でもそのようなサービスをするのもおもしろいのではないでしょうか。

そんなことからか、我が国のように限られた造船所の艇に集中するのではなくまさに多様なメーカ製とグレードの艇がありました。米国とカナダには多くの造船所があります。新素材とか新しいデザイン、アイデアを盛り込んだ艇を作るメーカが誕生したり、中国や東欧の安価なボートを売る商社が混在しています。このような大きな大会には各社がブースを設営してにぎやかになります。ただ、オールはコンセプトの本拠地ですからほとんどがここのオールです。オールは製法はそんなに難しくは無いのですが大量生産をする既存メーカにはコスト対抗するのが難しいためです。

古川 宗壽 

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